沖繩まぼろし映画館 : 平良竜次+當間早志 著


映画館には戦後オキナワの熱気があふれていた
探訪記と写真で知る、驚きの戦後復興史

第二次世界大戦で大きな被害を受けた沖縄で、傷ついた人々の心をいやしたのが芝居や映画などの芸能文化であった。役者たちによる芝居公演は行く先々で熱烈な歓迎を受け、収容所を巡回して行われたフィルム上映は、苦しい捕虜生活を送る人々にひとときの娯楽を提供した。

やがて、芝居や映画のための露天劇場がつくられ、さらにテント屋根、瓦葺き、木造の館ができ、沖縄は映画の黄金期に向かって走りだす。宮城嗣吉・高良一・国場幸太郎・宜保俊夫ら、希代の〈映画人〉たちの活躍もあって、1960年のピーク時には館数が120に至ったという。

館のある周辺は多くが繁華街として賑わい、「国際通り」「沖映通り」などのように、通りの名称を映画館からちょうだいしたケースも多い。映画館は沖縄の復興を名実ともにリードしたと言えるだろう。

本書はそうした沖縄の映画興行史がよく分かる「通史」から始まる。本編では、映画館の跡地をめぐる旅や現存する映画館の取材、ならびに関係者への聞き取りによって書かれたルポルタージュが50編。当時の様子がわかる貴重な写真も数多く掲載されている。さらにコラムとして、映画史を語るうえで欠くことのできない〈沖縄映画人〉らの逸話も収録した。

戦後オキナワの活気、映画人らのドラマティックな活躍、映画館の栄枯盛衰とノスタルジー。「娯楽の殿堂」をめぐる思いがたっぷり詰まった一冊。

ボーダーインクより抜粋

個人的に大好きなボーダーインクから出ている沖繩にあった映画館にまつわる歴史を垣間見ることができ、懐かしい気分になりました。
僕が子供だった1980年代は現代の様に映画は気軽なものではなかったので映画館に行った思い出は結構鮮明に覚えています。
特に沖縄県民の方には懐かしい一冊だと思います。
KafuwaNanjyoのライブラリーに並んでいますので是非読んで見て下さい。